真っ当にやればちゃんとなる世の中になるとよいです

通りすがりに美容室にはいって髪を切ってもらいました。

あきらかにうまくなかったです。

どうしよう。

こんにちは、にしかわです。

プロって最低限の能力があるべきですよね。

 

さてさて、最近目の見えなかった振りをした作曲家だったり、

論文の書き方すらしらない研究者だったり、

わりと自分も関わりがある、あるいはあった分野でのこういう事件が

大きく取り上げられております。

 

まあ世間のいろんな方がコメントしているし、

一緒になってブームに乗るような形に見えるので

普段あまり極力こういうことに意見を書かないようにしておりましたが、

よくよく考えると世の中こういうことがあまりに繰り返されていて、

なおかつ、自分の今携わっている領域にも同様なことがおきているので

たまには意見を言おうと思います。

 

・作曲家を名乗っていた人について

 

まあこの人はうそをつき続けてきた人なのでしょうが、

こういう人はなぜかたまにいます。

バイト先とかに。

明らかにうそだと分かる話をする人です。

なんの意味があるのか昔からよく分かりませんでしたし、

いちいち突っ込むのもアレなので放置しておいておりますが、

たまにこうやって大ヒットしてお金儲けできるのなら意味がわかるというものです。

 

ある意味プロデューサーとしての才能みたいなものはあったのかもしれませんので、

もうすこしやり方を変えれば穏便に儲かったのかもしれませんね。

 

まあ本当に作曲をしていた人はどうも本当にちゃんとした音楽家だったようなので、

このようにどんな機会であれ世間の目に留まるようなことがあった場合、

それなりにちゃんと評価されるようですね。

 

でも、本当の作曲家自体はこの事件が有名になるまでは、

世間から特に評価されていたわけではないようです。

 

というわけで、ここまでで学べたことと言えば、

 

ちゃんとした物を作る

いい感じのエピソードやら見た目やら付加価値をつけて

世間にこれ見よがしにさらす

結構売れる

 

ということでしょうか。

いい物だけ作ってもステップその2がないと意味が無いようですね。

 

自分に置き換えて考えてみると、わりといろいろ勉強になります。

とりあえずもう少しは基本的な演奏技術を高めねばなりません。

まあジャズミュージシャンは職人気質がかなり強くないとやってらんないのですが、

変に頑固に「もう少し、まだまだ」と言っているうちに

人生も終了しそうなのでうまいことバランスをとらねばならないと思います。

これももう1、2年のうちに基本的なことを修了させておきたいところです。

 

すると次にいかにして世間にこれみよがしに見せるかということですが、

これも今のうちに考えておかねばならないのでしょう。

自信作だったらよい感じに世に訴えたいものですね。

その時はよろしくお願いいたします。

 

 

・うわさの研究者的な人について

 

なんだか最初は大発見をしてわたくしにしかわも

「すごいなあ」と関心しておりましたが、

どうも最近だとなんだか話が違うようです。

 

にしかわさんもその昔ハカセになるべく大学で細胞やら遺伝子やら

を扱う研究をしていて、

なんとなく普通の人よりは内情的なもの込みで詳しいのです。

もともと好きな分野だし、

一方で常々感じている日本の教育問題にも関わる話だと思います。

 

そもそも論文も「こうすると絶対こうです」みたいなものは

数学の証明や、理論上の式の話くらいのはずで、

実体験を伴うそれこそ生物関連のものになると

「これをするとこうなるからAとBは関連があると示唆されます」

みたいなものが通常の表現だったと思われます。

 

なまものなのでたくさんサンプルをとって、

統計学に則って関連性を調べるのがせいぜいです。

お祈りをしてからさいころを100回振って1が奇跡的に100回でることがあって、

「お祈りをすると、このさいころは1しかでません」

というような論文もたまたま書けてしまう可能性が

完全に0ではないことを知っておいて頂きたいです。

 

そして、論文を書くにあたっては、

一々全ての実験を最初からしていては話が進まないので、

他人がやった過去の論文を参照して、

「これまでこれとこれとこれが科学的にというか統計的に

確からしいといわれてるから、これらを踏まえた上で、

これをしてみたのですけど、結果AとBは関連がありました」

というものすごいいろんな人の積み重ねによって、

新しい研究の結果が得られます。

 

ので、結果の捏造はどれだけの悪影響が出るかなんて

考えたらきりがありません。おそろしい。

いちいちその研究が本当に正しくなされたかどうかを

検証する時間なんて到底ありません。

 

近年ちょくちょく学問の分野で捏造やらの報道がありますが、

基本科学者は出されている論文を信じております。

それがちゃんとした雑誌に載っているのであればなおさら。

 

というわけでこのような「大きな発見」がもしデータの捏造であった場合、

引用されるケースも多いのだから、被害はなおのことです。

 

さて、これまでの報道で、

まず件の研究者がよくわからない持ち上げ方をされて、

そこから異様に叩かれ始めていて、

現在なんだかよくわからない状況であります。

 

まあこの実験の真偽はまた先にわかるからよいとして、

このハーバードだか理研の研究者が論文のコピペだかをしている

ということがとても気になりました。

 

学生の頃(たしか高校でも)実験のレポート提出やらの課題はあったのですが、

その時に書くべき文章で本来求められていたものは

「この実験から得られた結果や過程をとおして、

自分の意見やら考察を交えたもの」

と少なくともにしかわさんは解釈しておりました。

おそらく理科系の研究としては至極真っ当な手段であると思われますし、

理系を志す者はみなそうであるものと思っておりました。

 

ところが、現実にはちゃんとした学校だったにもかかわらず、

レポートやらをコピペを駆使して要領よくやる学生が少なからずいたものです。

当時は「こういう学生はこの単位とらなきゃいいのに」とか

「何しに大学にきたのだろうか」とか

思っておりましたが、要領がよいというのはそういうことなのでしょう。

 

まあそういう人たちが研究者になってなければよいかなあと思っておりましたが、

どうもこの件の研究者さんはまさしくそういう人だったようで、

うまいことキャリアをつんで来られたようです。

 

結果今回のようなことになってしまったわけですが、

問題なのはこのようなレベルのことを見過ごしてしまう

各機関での監督能力の低さにあると思います。

 

本来このレベルの科学者以前の要領のよい学生の単位の取り方みたいなのは

監督していれば見分けがつきそうなものですが、

これまで在籍していたところでもそれなりになんとかなっていたというのは

上にいた人間も同レベルである可能性があります。

 

なんとなく研究室にもいた身としては、

そういう空気感もところによってはあったようななかったような気もしますし、

自分が今も研究の分野に残っていて、

そういう現実をこのニュースでだけでなく感じずにすんだことはよかったと思いました。

 

が、しかし、よくよく考えてみると、

どのジャンルの現場にも往々にしてあることで、

よく言われる「まじめにやると馬鹿をみる」

という典型の話かもしれません。

そんなことあって欲しくないのですけど悲しい現実ですね。

 

たまたま今は音楽業界、それもジャズの分野におりますが、

ここまでとは言わないまでも、似たような話もあります。

まだまだ自分には及ばない話かもしれませんが、

ちゃんとジャズを普通にやっているより、

うまいことジャズをやってるっぽい方がうまくやれている的な。

広義には単純な物まねとかもそれに含まれますかね。

物まねはむしろ聴き手側からのリクエストも多いけど。

 

これも先ほどの作曲家の話にも通じますが、

聴く人間がもっと素直に音楽を評価すれば、

ちゃんとできているものの方が選ばれるはずなのですが、

どうも少なくとも身の回りはそういう評価の仕方はできあがっていないようです。

 

みんな一人一人が自分の価値観を持って判断できるようになって、

音楽に限らずしかるべき状態にある人が正当な評価をうけることができる、

そんな世の中になってくれれば、

きっと次の世代の人々も意志を持って研鑽することができると思います。

少なくとも自分の国は好きだからこそ早くそうなって欲しいものですね。

 

 

とまあだいぶ長く書きましたが、

冒頭の美容師があまりにアレな感じだったので

最近世間をにぎわしている方々の話題を交えつつ

勢い余ってジャズの話まで広げてしまいました。

 

まあでもダメな技術でお金もらったらいかんと思います。

自分も含めて鍛錬あるのみですね。

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