ベースを弾きながらほかの事をやること

というわけで前回書こうと思った本題を書こうと思います。

こんにちは、にしかわです。

連投ですな。

 

というわけでハモンドオルガンを弾く人は、

バンド内でベースパートも担当しております。

終演後よくある、

 

・ベースはうちこみですか

→え?弾いていたんですか?

 

・足ベースよく足動きますね

→え?左手で弾いていたんですか?

 

・じゃあ足はなにやってんですか?

→足鍵盤はHammondってかいてあるけど、

オルガンはNordってかいてありますけど?

 

という流れがありますが、

とにかくオルガニストはベーシストがいない時は

ベーシストの代わりをしながらソロを弾いたり、

伴奏をしたり、オルガンのパラメータをいじったり、

外の景色を眺めたり、

まあ、いろいろがんばっております。

冷静に考えるとそれを普段やっているのってすごいですな。

 

もちろんバンド内でのベースパートというのは、

リズム的にもハーモニー的にもものすごい重要な位置を占めるので、

世の中のオルガニストのベース担当への責任感は

なかなか大きくなるというものです。

 

右手で他のことやりながらでもベースはなるべくうまいこと弾きたい

というのは当然の志でありまして、

みんな日々それを練習してみたりするわけですが、

これがなかなか難しいわけです。

 

難しいポイントとしては

・珍しげな技術であるので、教育や鍛錬法が大して確立されていない

・同時に2つのパートを常にアドリブ(ある程度の準備はあるにしても)

するので、脳とか意識が追いつかない

 

の2点、特に後者に集約されるのではないでしょうか。

決まりきった譜面なら何度もそれを練習すればよいのですが、

毎度リアルタイムでいろいろなことが起こる演奏の現場では、

常に周りのことも聴こえつつ次にすべきことを実行し続けるわけです。

 

想像が付くかもしれませんが、

関連する内容とは言え、同時に違う二つのことを

高いクオリティでやり続けるのは不可能に近いです。

 

だがしかし、音源の名演の中にはこれをかなり高いレベルで

成立させている方法があるのも事実です。

オルガニストは(すくなくともにしかわさんは)わりと常に

試行錯誤しているものなのです。

 

というわけでよくオルガニストが選べる可能性を探して見ます。

 

その1.両手のタイミングを揃えて弾く

 

ものすごい真っ当なアプローチだと思います。

ただ、右手と左手のいろいろなタイミングが一緒というのは、

譜面上はそうであっても、

音楽としてそれが優れているかどうかというのはまた違うし、

好みの問題もいろいろあります。

個人的にはずれているのがすきです。

 

同じ右手でも高音と低音の発音の聞こえ方の違い、

歌い回しでの微妙なタイミング、

王道の発想ではありますが、

これらを考慮する必要もある・・・かもしれません。

 

学習の第一歩での動作の確認とか、

立ち返って基本に戻るときに役に立つ考え方ともいえましょう。

 

 

その2.ベースへの意識をひたすら気をつける

 

主に左手への意識にのみ集中する方法です。

ベースがもっとタイトになりたいという欲求が高まると

このスタイルをとることになります。

 

演奏中は右手はともかく左手はずっと動いているし、

リズムセクションの要であるベースを意識することで、

バンドサウンドのクオリティを高める方法です。

 

やはり右手への意識がかなり薄くなるので、

その場でメロディをうたって作るのは難しいです。

フレーズがシンプルあるいは決まりきっている人には

むいているスタイルかもしれません。

 

 

その3.右手に意識を集中

 

この2ターン後に波動砲とかとんできそうですが、

主にアドリブ時に右手への集中をメインにする方法です。

右手のクオリティを上げることによって、

それに伴った左手ベースをよいタイミングで落とす方法です。

 

必然的にかなりベースラインに慣れている必要があります。

やはりある程度自動なので、右手のアドリブの呼吸やニュアンスに対して、

きっちり音楽的によいトレースがしづらいのが難しいです。

 

特にチェンジの細かくて転調が多い曲だったり、

伴奏からアドリブへの切り替え時だったり、

あるいはメロディの間の右手を使っていないスペースで、

意識が右、左ところころ変わってしまうと、

流れが切れてしまって自分の中では普通でも、

外で聴くとグルーヴががたがたに聴こえてしまったりします。

 

ただアドリブに関しては、他のパートの人の技術的な内容に

それなりに(まだ遠いけど)は近づけるメリットもあります。

もちろん、他の楽器みたいに思い切って小節をまたいだり、

拍を食ってみたり、複雑な譜割りをやってみたりするのは、

完全にビート感ができている前提でないと

オルガンの人はわかりやすく一瞬で「くにゃ」ってなります。

でも、ともあれ右手の内容がものすごいよければそれだけで

かなりよい状態になれそうな気もします。

 

 

とまあこれら3通りの方法がぱっと思いつきますが、

ここで最近新しい手立てを思いつきました。

といってもベーシック1と3ではあるのですが、

同時に自分が一番信頼を置くものをちゃんと信じるのが一番難しく、

一番大事な要素でありました。

 

この方法はひょっとしたらいけるんじゃないかと思わせてくれまして、

うまく集中していけばメロディのニュアンスも表現しつつ、

いい感じの左右のずれだったり、立体感もありつつ、

外聴こえの安定感や自然さをもちつつできる気がします。

 

これ以上ここでいろいろ文章のみで解説するのもとても難しいので、

もし興味がある方はライブ後にでもご質問くださいませ。

あるいはレッスンも随時やっておりますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。

なんかこの発想はうまく行く予感がしております。

 

 

でも左右のずれを折りこみながら弾いているときって

一体どこが正しいのかわからなくなりますな。

世界が曲がる感じです。

でも日ごろメトロノームで練習して、

なんとかずれないように鍛錬するべきものと思っておりました。

でもそれがすごいクリアーになる気がしました。

とても新鮮な気持ちでございます。

 

ともあれオルガニストのベースはすごいかっこいい技術なのですが、

とてもすごいバランスの上に初めて成り立つものなのです。

日々訓練あるのみですな。

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