ハイテク、スピリチュアル、よい感じの音楽、そしてレッスン

こんにちは、にしかわです。

今回のお話は最近の音楽演奏への研究がちょっと進んだので、

まとめておこうと思います。

レッスン的なお話もおりまぜつつ書いておこうと思います。

皆様のお役に立つかはわかりませんけど。

 

よい演奏だなあと思うのは必ずしも、ぱっとみていわゆる高い技術の演奏、

たとえば、ものすごく早く正確に弾けるとか、複雑なリズムで弾き切れる、

複雑なコードチェンジにも難なく対応できる、

とかそういうところだけでもないです。

もちろんこれらは基本的に高い技術なので、

十分に評価されるべきであるとは思います。

 

現在の最先端(っぽい?)の音楽はわりとこのような要素が強めで、

若い人などは特にこれらのスキルに長けている人がとても増えていると思います。

が、これらを聴いたときに、

「すごいけど、なんだかちょっと違うんだよなあ」

とか言う人々も少なからずいるのも事実です。

 

変な話ここら辺の練習方法に関しては、元々の才能もあるのですが、

適切な練習をたくさんすれば、目標が見えてこなくもないというものです。

なぜなら、答えが明確だからです。

近年では情報媒体も豊富かつ高品質なので、

できあがりのイメージも持ちやすいという便利な世の中だからというのもあります。

 

これがわりとデジタル世代というか、そういう発想なのに対して、

一方でスピリチュアルな発想もありまして、

平たく言うと「心のありかた」的なところからの演奏がそんな感じでしょうか。

ここら辺に関しては、わりと日本人は得意分野なんじゃないかなと思っております。

日本語の表現方法の微妙さだったり、文化的背景だったり。

 

まあ、音楽をやる時に一生懸命「いい音楽にしたい」とは、

大体の人はいつも考えているはずなので、

この思いをどれだけ強く持ち続けるかという話でもあります。

精神論ですね。

 

さて、今回はこれらのことの比較をどうこう言うつもりもないし、

どちらも大事な要素なのであえて語る必要もないと思っております。

 

今回ここで書こうと思っていることはそのどちらでもなく、

その両方をある程度備えているにもかかわらず、

「もうひと押しなんかたりないけどどうしたものか」

というところに対しての日々の研究のお話です。

十分だというかたにはもちろん必要のないお話です。

 

逆にぱっと聴き極端にハイテクでも高スピリチュアルでなくても

いわゆる「なんかいい音楽」ってあるし、

安定してそういう状態にできないかということに対しての

わりと具体的な技術的なことについて考えておりました。

 

まあ平たく言うと「グルーヴしているか」ということなのですが、

これに関しては定数化しづらい、というかできないので、

どう訓練すればよいのかわからないというのが現状です。

ですが、人間が聴けばなんとなくわかってしまうものです。ふしぎです。

 

これに関しては一つ、「音楽の流れに乗っているか」というのもあるのですが、

たとえば、適切な流れでコミュニケーションが取れているかどうか、

状況に応じての各パートの音量の大小など。

今回はこれについては定数化するのもアレなんでやめておきます。

空気読むとかそういうのも状況によりけりですし。

まあとても大事な要素ではあると思っております。

 

 

ようやく今回の目標のお話しですが、

演奏中はだれしも「こんな感じだろうなあ」と思ってやっているのが、

録音を聴くとなぜか全然違って聴こえてくることがあると思います。

一人でやっていても、何人でやっていてもです。

単純に前、とか早めだったり、後ろ、遅めに弾けば解決、

ということでもないようです。なんででしょうか。

 

じゃあよいリズムでやるというのは結局生まれや育ちなのか、

とあきらめるのも一音楽家として悔しいものなので、

できる限りいろいろ考えてみることにしました。

いろいろなステップを経なければいけないので、

まだまだ長くなります。

今レッスンでやってもらっている順番でしょかね。

 

・力を抜く

いわゆる脱力というやつです。

なんか音楽に限らずあらゆるジャンルでよいとされております。

だらっとしただけだとどうしようもないのですが、

必要最低限の力だけを使っていると解釈すれば、

同じ力でコントロールが安定するという利点があるはずです。

まずはそれを目標に脱力したいものです。

 

・腕のつかいかた

指先だけでもやれなくはないのですが、

横移動の動きもあるし、タッチの強弱を楽にやる利点もあるので、

指より手首、手首より肘、肘より肩、肩よりもっと根本のところ、

から動かすのがよいようです。経験上。

ここら辺まではいわゆる体の使い方としてよく言われていると思います。

腕だけでなく、脚や、呼吸などでも同じ発想で応用できると思います。

 

・発音の仕方

腕の使い方と呼吸の仕方も通じるところがあるっぽいということで、

呼吸の側面からも考えてみました。

しゃべる時に吸って、息を止めて、待ってからしゃべる

という状況は少ないと思います。

吸って吐く動きはどうやら一続きになっているのが自然のようです。

 

俗説では「上から落とすだけ」というのもまことしやかに語り継がれてますが、

これは本当は正しくないんじゃないかなということになります。

 

というわけで、弾き始めの腕の動きは「根元に上方向に一瞬だけなげる力をつかう」。

そのあとは根元の力が波とか鞭のように使って先端方向に伝わるようにコントロールする、です。

ここの表現がちょっと難しいのですが、うまく行くと楽にスナップ的なものがききます。

あんまりだらだら持ち上げるのは意味がなく、

0.1秒もないくらいでしょうか。

 

 

とにかく、同じ音を連続して弾くときなど、

発音を目標の音のアタック(さいしょ)に大して意識するのでなく、

どこまで前の音符を弾いているかの方に意識がいくようにするということです。

 

ここら辺がレッスンで生徒さんにやってもらうと戸惑うところなのですが、

とにかく、「発音する」というコンセプトが大きく変わってくると思います。

 

かなりめんどくさい作業になってしまいますが、

動きのスタート地点がある音を弾き終わったような状態になるので、

緊張下での楽曲の「一音目の弾きづらさ」はなくなると思います。

弾き終わったような場所に腕を準備しておいて、

連続して弾く時と同じ動きをし始めればよいので、辻褄があいそうです。

 

・動きの始動のタイミング

特にリズムがはっきりしている音楽で、

いろんな長さの音符が複合して現れる曲中で

どのように動きをコントロールするかです。

これをはっきりしておかないといけません。

 

これに関してはいろいろ好みがあるかもしれませんが、

個人的には

「弾こうと思っている音符のひとつ細かい単位の裏から動く」

のが経験上よさげです。

 

4分音符を弾くなら手前の8分音符から動かすということです。

黒人音楽では4ビート、8ビートと呼ばれるものは、

それより一個細かい単位がこっそりバウンスしているっぽいので、

半分より短いところから動き始めることにしております。

これを気にすると、4分音符のベースだけでも

なんかスイング感を感じることができるようになるようです。

 

裏の音符、たとえば裏の8分だったら、その16分手前からなので、

かなりシビアになってきます。

でもうまく行くと気分がよいものです。

立体感が上がる印象を受けます。

音符の立ち上がりとかスピード感はここに秘密があるかもしれません。

 

というわけで、できる限り集中して演奏中にこれを実行したいのですが、

できている限りはシンプルな音型でも個人的には楽しく充実する気がします。

 

連続する音符に実行する場合にも、

始動のタイミングは記譜されてないけど、音符の空白期間になるので、

うまく行っているときは次のタイミングが見えるかのごとく聴こえるので、

グルーヴのポケットという概念にも通じるかもしれませんね。

どうなんでしょう。

 

さらに、メロディだったり、複雑なリズムパターンだったり、

それが速い時にどうするかという問題もでてきますが、

それについてはどこのポイントに対してその動きをメインに実行するか、

で対応する方法しか思いつきません。うまく言えないけど。

今後の研究課題であります。

 

いまのところ、この動きは、テンポが明確になくても、あっても、

どの楽器でも、どの音楽でも、応用が利かせられるので、

より上達すれば使い分けができるようになるのではと思っております。

 

さらに、音楽的知識が少なくても、ここに集中して行われている演奏は、

個人的判断ですが、今のところ聴いていて、どれもよい音楽だと思います。

というわけで、なるべく早い段階で生徒さんには気を付けてもらうようにしております。

 

文章でなかなか伝えきれませんが、

興味を持たれた方はぜひレッスンなどにいらしてくださいませ。

簡単に素早く弾くとかそういうことは難しくなりますが、

「よい状態が維持できることを明らかに実感できる」

ので、満足して頂いているのも確認しております。

 

なにより、集中するべき事柄が、

いわゆる楽器のスキル云々とはそれほど関係なく実行できるというのは

どの段階の学習者にとってもすぐに経験できるということなので、

非常に楽しいことだと我ながら思っております。

 

自分自身ももっとできるように、

さらによいアイデアでできるように、

まだまだ研究しておきます。

がんばります。

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