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Hammond B3出張メンテナンス

生徒さんのおうちのハモンドB3とレスリー122をメンテナンスしにいきました。
後期型です。
レスリーslowにならなくなってしまったのを直すのがメインの業務でしたが、後期型特有の硬めの音をうちにある初期型の感じに近づけたいということで、そちらの作業もやってみました。
長年の研究によるスピーカーケーブル選びとその交換です。
オリジナルパーツじゃないといかんという話もありますけど、個人的にはいい音になれば特に問題ないかと思っております。一応パーツ残しておいてあるし。
ちゃんと豊かなハモンドオルガンの音がするものを選んでおります。
ただスピーカーケーブルの交換の元のところがなぜかソケットでなくて半田付けという珍しい仕様だったので少し大変でした。まあ無事終わったからよいけど。
あとは本体のドローバーの断線があったので直しました。その他おそうじと微調整。
一つトーンホイールの線が断線しているのですけど、それを直すにはパーツもなかったし、大変そうだったので今回はあきらめました。
やったことないから一度やってみたいのだけど。
まあ演奏にそこまで支障はないのであとまわしです。
あとはトーンジェネレーターの駆動がベルトでつながっている、うちとは違う方式だったのですけど、そのモーター部からカラカラノイズが出ていたのが気になるくらいですかねえ。分解して掃除したらなおりそうだけどこれもやったことないです。やったことないことだらけ。
とりあえず当初の業務はうまくいったのでよかったと思います。
セッティング追い込んだりメンテナンスすると本当にいい音になるからたのしいですねえ。

家のHammond B3というかレスリーの真空管が変なので交換

昨年末から家のオルガンの音が変になってました。
歪むし、もあもあするし、パワーはないみたいな。
というわけで試しにレスリースピーカーの方のパワー管とプリ管を換えてみたらだいぶ改善されたと思います。いい感じ。
それぞれ7年ぶりくらいに交換した感じですかね。
これぐらい保つなら許容範囲内ですかね。
パワー管また買うのちょっとためらわれるくらいのお値段になってしまったのですけど、それでもコロナ中よりは少し値段は下がったかもですね。
とりあえずプリ管はヤフオクで予備を買っておきました。松下のやつ。届いたら試す予定。
オルガン本体の真空管もそろそろ替えるべきか悩みちゅうです。
ヤフオクから届いたのでせっかくなので付け替えてみました。
松下の12AU7です。国産。
いろいろ試してきた経験から個人的にはよい選択かと思っております。
ほとんど未使用とのことで、クリーンなサウンドでもありますが、どこか中域の何かがちょっと出過ぎてるような。悪くはないのですけどもう少し変なふとみがとれてもよいかなあと言う印象です。
しばらく使ってたらなじむのでしょうかね。

レスリースピーカーの低音について

レスリースピーカーというか、ハモンドオルガンの音の音作りについての研究的な。最近少しわかったことというか改めて確認できたこと。

なるべくビンテージハモンドオルガンの深いながらもうるさくない豊かな低音をどうやって出すかというところが課題になります。

中高音部は大きなキャビネットをつかわなくともそれなりに似せることはできますけど、どうしても低音ばかりはそうもいかないわけです。
大きなキャビネットに15インチのスピーカーがあって初めて深くてよい低音が得られます。うるさくないのだけどちゃんとズブっと聴こえるのがハモンドオルガンの低音の特徴だと思います。

というわけでなるべくこれに近づけたくていろいろ試行錯誤して電源やスピーカーケーブルも換えたりしておりました。
いまは割とそれなりによい音にはなったと思いますが、ちゃんとデータとしては取れてないから再現性はあまりないかなあとおもっておりました。地道な耳でのチューニングしかないみたいな。

先日オルガン機材を聴き比べる会で土田くんといろいろやり取りをしていたらビンテージレスリーの周波数を測定した(すごい!)とのことで、その表を見てみたところ、ざっくりの記憶ですが100Hzあたりが少し下がっていて、60ちょいHzあたりがすこし上がっているのを確認しました。

これはなかなか驚くべき発見です。
数値的にはわずかに見えるかもですが、聴感上はかなりちがうかも。

いわゆるそこらへんについている3バンドのイコライザーのBassって多分100Hzあたりで、ここを持ち上げるとわかりやすく低音が上がった感じがするのですけど、他のパートにものすごく被ってマスクするし全然好ましくないのです。
他の楽器のロー成分もそこにあるので低音が渋滞してえらいことになります。なんていうかジャンクな低音の出し方みたいな。

一方で60Hzあたりは3バンドEQではいじれないところで、ここら辺以下を持ち上げると低音が大きくなった感じはないけど深い音がします。上げすぎても変なのですけど。

簡単に説明するとこんなところですが、これが豊かで深いながらもうるさくない低音を作る方法なのだなあと思いました。

なので3バンドならEQのBassは下げるべきで、低音全体を持ち上げるためにかなり太い電源ケーブルをつかうというのはかなり合理的なのだなあと思いました。
そして自分のセッティングはそうなってました。
なるほどこれはすごいことです。伝わらないかもだけど。

少なくともオルガン用にはEQは低音用に60あたりと100あたり、もう少し厳選した数値でもよいと思いますけど、少なくとも二つ用意できると好ましいのだなあと思いました。
それができない環境なら太い電源ケーブル使ってEQのBassを下げるみたいな。どのケーブル使うかにもよりそうですけどねえ。