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レスリースピーカーの低音について

レスリースピーカーというか、ハモンドオルガンの音の音作りについての研究的な。最近少しわかったことというか改めて確認できたこと。

なるべくビンテージハモンドオルガンの深いながらもうるさくない豊かな低音をどうやって出すかというところが課題になります。

中高音部は大きなキャビネットをつかわなくともそれなりに似せることはできますけど、どうしても低音ばかりはそうもいかないわけです。
大きなキャビネットに15インチのスピーカーがあって初めて深くてよい低音が得られます。うるさくないのだけどちゃんとズブっと聴こえるのがハモンドオルガンの低音の特徴だと思います。

というわけでなるべくこれに近づけたくていろいろ試行錯誤して電源やスピーカーケーブルも換えたりしておりました。
いまは割とそれなりによい音にはなったと思いますが、ちゃんとデータとしては取れてないから再現性はあまりないかなあとおもっておりました。地道な耳でのチューニングしかないみたいな。

先日オルガン機材を聴き比べる会で土田くんといろいろやり取りをしていたらビンテージレスリーの周波数を測定した(すごい!)とのことで、その表を見てみたところ、ざっくりの記憶ですが100Hzあたりが少し下がっていて、60ちょいHzあたりがすこし上がっているのを確認しました。

これはなかなか驚くべき発見です。
数値的にはわずかに見えるかもですが、聴感上はかなりちがうかも。

いわゆるそこらへんについている3バンドのイコライザーのBassって多分100Hzあたりで、ここを持ち上げるとわかりやすく低音が上がった感じがするのですけど、他のパートにものすごく被ってマスクするし全然好ましくないのです。
他の楽器のロー成分もそこにあるので低音が渋滞してえらいことになります。なんていうかジャンクな低音の出し方みたいな。

一方で60Hzあたりは3バンドEQではいじれないところで、ここら辺以下を持ち上げると低音が大きくなった感じはないけど深い音がします。上げすぎても変なのですけど。

簡単に説明するとこんなところですが、これが豊かで深いながらもうるさくない低音を作る方法なのだなあと思いました。

なので3バンドならEQのBassは下げるべきで、低音全体を持ち上げるためにかなり太い電源ケーブルをつかうというのはかなり合理的なのだなあと思いました。
そして自分のセッティングはそうなってました。
なるほどこれはすごいことです。伝わらないかもだけど。

少なくともオルガン用にはEQは低音用に60あたりと100あたり、もう少し厳選した数値でもよいと思いますけど、少なくとも二つ用意できると好ましいのだなあと思いました。
それができない環境なら太い電源ケーブル使ってEQのBassを下げるみたいな。どのケーブル使うかにもよりそうですけどねえ。

配信ライブやってきました。よかったら見てね。

最近バーべキューでよくお世話になっている(笑)ギタリストの中藤君のスタジオでのライブ配信をやってきました。

宮﨑達也(Sax)西川直人(Organ)野澤宏信(Drums)というメンバーです。

https://www.youtube.com/live/WfI1gDw0BXs?si=QEtEIoA6-CzJj4d9

こちらでライブの模様が見られると思います。
レスリー142を持参して鳴らしましたがいい音でした。
よかったら聴いてみてください。

レスリー2103mk2スピーカー交換142との比較レビュー的な

ツアー中にレスリー2103の低音用5インチスピーカーが音量に耐えかねてコーンの端の樹脂がビリビリとノイズを出すようになってしまったのでメーカーにスピーカーユニットを注文して交換しました。片方は異常なかったのですが、せっかくなので本日の配信ライブのついでに両方交換。
これまでついていたスピーカーユニット。左が修理したときにつけてもらったやつ。右が元のやつ。左はなぜかくすんでいてザラザラ。
そもそも今回だめになったスピーカーユニットは去年多分ホコリと秋の長雨の湿気でどこかがショートして修理してもらったときに交換してもらったもの。
くすんでるユニット。型番みたいな数字は薄いけど6H3なのかな。9N1という個体と種類は違いそうな。交換してもらってからは低音薄くなった気がするし、スピーカーのガスケットという縁の紙の層も剥がれていて音量が上がるとそこもビリついた音が鳴るし、今回音量あげたときにスピーカーのコーンの端についているゴムの部分もビリビリなるので流石に使い物にならなくなったわけです。
修理終わってからはなんか低音軽くなって悲しいなあと思ってましたが、パワーアンプの部品も交換してもらったこともあり、要エージングで様子見なのかなあとおもっておりました。
6H3?と書いてあるやつはなぜか表面がくすんでいてザラザラ。今回ダメになったやつです。
これは元々ついてたやつ。9N1と書いてある。
これは特に問題なく使えてました。とりあえず予備にしようかなと。
一方、元のは9N1と、これらは違う種類なのかな。
今回手に入れたスピーカーユニット(下)。きれい。なんか書いている数字が微妙に違うぽい。233という型番なのだろうか。
新しいスピーカーユニットとの比較。新しいものは233と書いてある。
また違う種類なのかな。なんだろ。
とりあえず新しいユニットにしてみたら調子はだいぶ良さそう。
低音十分でてるぽい。よかったよかった。
実際配信ライブはレスリー142を使ってしまったので、2103の新しい状態でのバンドでのきこえ方はまだテストできてないです。
ツアー中に2103はまた良さげな配線に換えてしまって、結構よいなあと思ってたところでしたが、結構この新しいスピーカーユニットで音が変わってしまってのでまた配線の吟味からやることになるかも。
2103と142が並んだ珍しい光景。2103の下のハコは折りたたみできるただの板でつくってあります。122と142の中間くらいの高さになったのかな。聴き比べするのも珍しいです。
せっかく142と2103を並べたので音出して比較してみました。
両方とも12時くらいのボリュームです。
結果意外なことに2103の方が上も下も音が大きくきこえました。低音も小型レスリーの方がでるのか(笑)。すごいな。
中域より上も2103はすごいちゃんとでるし、これも好きなやつに交換してしまった高域のドライバユニットのせいかもしれませんけど抜けも良さげです。
全体での太さと抜けの良さがちゃんとあります。
142の方はそれに比べて柔らかい深い感じの音ですね。特に低音が2103と比較して出ていないようにきこえますが、スピーカーユニットが15インチ、キャビネットもまあまあ大きいので50hzくらいの音量を感じさせないけど豊さを決定する帯域が実はよくでてそうですね。
ここばかりは2103ではどうにもできないかも。
それゆえか142は高域もかなり柔らかくきこえますね。そして全体の音の余裕がある感じ。
というわけでこっちも改造してあるけどビンテージの142の音の豊さってすごいなあと思う一方で、お世辞でもなく2103も負けてない良さがあって、スピーカーユニット交換して万全の今ならツアーでも142運びたいなあと思わなくても良さそうな希望が湧いてきました。
今月はこの両方のスピーカーのサウンドをもっと追い込みつつ可能性を探っていこうと思います。たのしみ!
そして誰か今回のこの5インチスピーカーユニットのあの謎の記号について教えて欲しいです。